エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた (知恵の森文庫)
おすすめ度:

発売日: 2006-11-07
発売元: 光文社
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有名どころは載ってます。
エッシャーの有名どころの絵はほぼ載っていると思います。
文庫本なので当然絵は小さいですが、
それでもよければ十分楽しめます。
ノンフィクションだという小説は正直そんなに面白くはないです。
エッシャーを通して見る昭和レトロ
小売業の変化と昭和史、とか、クルマで振り返る昭和史、とか、食卓から見えてくるあの時代、とか、巨怪正力松太郎とその時代、とか、そういう本はいろいろあるが、これは「エッシャーを通して語るカタカナカルチャー黎明期の昭和史」の本だ。え、そんなことが可能なのか、だってエッシャーなんて名前、普通のお父さんやお母さんは知らないじゃないか、と思うでしょうが、読んでみるとこれがじつに自然だ。東京オリンピック。ビートルズとグループサウンズ。ベトナム戦争。ビギ、ニコルの旗揚げ、『anan』の創刊。中核、革マル、社青同、機動隊。表参道に飛び交う火炎ビン。美術書でないことは間違いない。しかしその語られる全体の軸が、エッシャーの版画と、それに魅せられた男女たち、ということになっている。
横須賀のバーで「LSDキメてこれ見ると最高だぜ」と米兵からエッシャーのポスターをもらう19歳フリーター。エッシャーに手紙を書いてアプローチを試みるもあっさり袖にされるミック・ジャガー。洋書屋の訪問販売でエッシャーに出会って興奮する真鍋博。亀倉雄策。永井一正。田中一光。少年マガジンの表紙を飾るエッシャー。なぜストーンズはダメで少年マガジンならいいのか、たぶん後者はエッシャーに無断でやったからだろう。勝手に下品な色もつけたらしい。折しもマガジン誌上では矢吹丈と力石徹の最期の死闘が繰り広げられていた・・・
・・・と、いうあたりからようやく、1976年、西武美術館で開催されて大盛況となった日本初の本格的エッシャー展の話へと雪崩れ込み、そこまでも面白いがそこから先もスピーディな展開で読ませる。巨額の借金を背負ってエッシャー・コレクションをポンと買うことになるニコルの幹部、これが上記のフリーターの20年後の姿。まるで因果は巡るエッシャーの図柄だ。読むとエッシャーを見たくなる、という意味では、やっぱりこういうのも美術書なのか。
そしてエッシャーに魅せられる
本書は、1996年10月に新潮社より発行された「エッシャーが僕らの夢だった」を改題、加筆、修正し、文庫化したもので、「あしたのジョー」や「巨人の星」を連載し、当時発行部数100万部以上という爆発的な人気を誇っていた週刊誌「少年マガジン」の表紙絵にエッシャーの絵を採用した編集者や、エッシャーの展覧会を開催するために世界中を駆け回った画商、7億円もの借金を背負いながら800点におよぶエッシャーコレクションを購入したアパレル企業の創業者など、エッシャーに魅了された人たちの人生を綴ったノンフィクション作品です。
エッシャーの生涯やエッシャーが初めて日本で紹介された時の話、新聞社や百貨店が関わる展覧会のしくみなど、エッシャーにまつわる様々なエピソードを知ることができとても楽しめました。
また、ところどころエッシャーの作品が掲載されているので、休み休み、楽しみながら読み進めることができました。
解説を羽生善治さんが書いているのも興味深かったです。
